永遠亭comacの出張版(ほぼ将棋について)

将棋についてつぶやく(腕前は超ド素人)

これ、年内に勢力図が変わる可能性もある。

現状のレーティングについて

1位 2081 藤井聡太七冠
2位 1914 豊島将之九段
3位 1895 永瀬拓矢王座
4位 1865 菅井竜也八段
5位 1845 佐々木大地七段
6位 1843 伊藤匠七段
7位 1837 羽生善治九段
8位 1835 渡辺明九段

このような状態になっています。

というと分かりにくいのでちゃんと説明すると10/2の対局結果では永瀬王座と菅井八段の差が14まで縮まるのです。さらに直接対決が10/6にありまして逆転も視野に入っているんです。

つまり、簡単に書くと

永瀬王座が連敗、菅井八段が連勝した場合

永瀬王座 1895→1885→1877
菅井八段 1865→1871→1879

つまり菅井八段が3位以内に入るという事です
(サイトによっては永瀬王座が3位というところもあります)
ただ、永瀬王座も菅井八段もそれ以降も対局が続き、菅井八段がNHK杯含め10/12まで連勝したら入れ替わりどころか2位まで近づくと思います。
(ざっくりで10/12時点で菅井八段が1895まで上昇。永瀬王座が失冠したら1873まで下降。さらに、豊島九段が1勝1敗だと1903まで下がる)

こうなると、2位争いはこの3名かと思いますが、伊藤匠七段がこれから竜王戦あるのでそこの結果次第では大き上がる可能性もあります。佐々木大地七段はすぐには2位争いには絡みにくい感じです。

 

これで将来的にはどうなるか?

さらに先を見ましょう。
豊島九段と永瀬王座が王将リーグ陥落したと仮定した場合、大変なことになります。
まず豊島九段、永瀬王座、菅井八段、伊藤七段の4人の差が10くらいになり、簡単に逆転起きる可能性が出てきます。さらに羽生九段がまた全勝で挑戦者になった場合羽生九段が2位という可能性もあります。

それで一体何が起きるのか。

2位~5位のレートが1870台になり、藤井七冠が14連続棋戦優勝した場合2100近くまで上がり、レート差が240まで拡大するのです。

つまり、藤井七冠の期待勝率が80%未満の棋士がいなく、2~3年八冠維持の可能性も大きくなります。

藤井七冠に死角は無いのか?

それはあると思います。
藤井七冠の強みって終盤力というけど、柔軟さが凄いというのもあります。つまり、終盤で藤井七冠を追い込んでも簡単には勝てません。

勝つには1回や2回なら研究のみでも行けても、何度もになると研究よりも大局観や柔軟さが大きく必要になってくると思います。なので、羽生九段みたいな戦い方が必要になってきます。

羽生九段の戦い方はよく「羽生マジック」という言葉が出てきて中終盤辺りで驚きの手出して形勢を逆転し一気に寄せるのです。それが藤井七冠に通用するかというと厳しいけど、序中盤をある程度良しかつそのような手が出れば対等に戦えると思います。

しかし、羽生九段を真似てみよう、参考にしようというのは相当大変。だから、藤井七冠に対抗できる棋士が出てきていないのかなと思います

藤井聡太竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖の現状

つまり藤井七冠についての現状のデータ

・棋戦優勝回数(タイトル奪取・防衛、一般棋戦優勝)26回(うち、タイトル17期、一般棋戦9回)

これは皆さんもご存じの通りだと思います。中でも、タイトル戦は17回出場し1度も敗れていません。

そして、去年度は将棋日本シリーズ銀河戦、朝日杯、NHK杯全て優勝し、竜王・王位・叡王・王将・棋聖防衛し棋王を奪取。公式棋戦10という新記録を打ち立てました。

・タイトル連続獲得数 17回

これは中原誠十六世名人と並んで歴代2位タイです。ただ、現在王座戦が行われており、6日から竜王戦が始まります。そして、王将戦までタイトル奪取防衛したら連続回数が20になり新記録になります

・公式棋戦(タイトル+一般棋戦)連続優勝回数 11

これは、出場した棋戦で連続優勝した記録です。
つまり、叡王→名人→棋聖→王位→王座→JT杯→竜王→銀河→王将→朝日→棋王NHKという順(ただし棋戦によっては前後する場合あります)で優勝したという事です。

つまり、実は去年の日本シリーズからタイトル戦7+一般棋戦グランドスラムを成し遂げ現在進行中で王座戦突入という事です。実は本当に強くても取りこぼす棋戦は多く、羽生九段も七冠達成時でも一般棋戦で優勝逃すことありました。

 

これからは?

現在、王座戦は2勝1敗であと1勝で全八冠達成。

竜王戦は10/6から挑戦者伊藤匠七段を迎えてタイトル戦開幕

王将戦はリーグ戦進行中で棋王戦は第3回戦まで終了。

ちなみに伊藤匠七段は糸谷八段に勝てば2年連続ベスト4入りで竜王戦に続いてタイトル戦出場なるか注目です

王座戦第3局について思ったこと

議題「王座戦第3局、後手永瀬王座の66手目△4一飛について」

 


という議題ではないですが、ここ中心に書こうと思います。

というのも、その前の局面(65手目▲2一飛)までで形勢はどうだったか。

囲碁将棋 永瀬王座92~93% 藤井竜王・名人7~8%
ABEMA 永瀬王座95% 藤井竜王・名人5%
連盟 永瀬王座90% 藤井竜王名人10%
たたやん(水匠開発者)永瀬王座66% 藤井竜王34%
Bonanza(50手目あたり) 互角

村田顕弘六段 先手持ち  郷田九段・深浦九段 後手持ち(雰囲気から)

藤井竜王名人 負け。

ちょっと面白いのが村田六段が先手持ちだったこと。というのも評価値見てみると2番手以降が五分に戻るか先手優勢になるのです。つまり、いつ逆転起きてもおかしくないという事らしいのです。

これは邪推になりますが永瀬王座は形勢良いと見ているが顔の動きから実は互角か先手が良くなるのではと考えていたと思います。つまり、それだけ難しい局面で4分で△3一歩からの手筋を読み切るのは難しいと。

 


実は囲碁将・アベマ・連盟は人間の感覚ではなくコンピューター的にという事で何百億の手を読み込んで△3一歩で問題ない。

しかし、村田六段ははっきりと後手優勢とは言わなかった。その理由がずっと手筋考えていたけど難しく、現時点ではそうでも読み切れなかったら一気に互角に戻ると考えていたかもしれない。それだけ、永瀬王座の方が難しい局面が多々あったかと。それを評していたのがBonanzaとたたやんさん。

そして、▲6五角と打ってから一気に藤井優勢になりました。
というか、完全に手番が回った時何をしてもいいというわけではないけど5番手まででも評価値が一気に下がるという事は無い状態なので寄せ切れてもおかしくないのです。

 


これで2勝1敗で藤井竜王名人にリーチかかりましたが、この1局は前回以上に大きい。感想戦ですぐに藤井竜王名人に指摘されるくらいでダメージ大きかったと思います

データから見る藤井竜王・名人

直近1年間の藤井竜王名人の成績

59勝11敗 0.843 レート2093(+32)

実はこれを見るとかなり調子がいいという風に見えますというのも、その前の1年間(2021年8月19日~2022年8月19日)は39勝12敗で0.765だったのです。その理由が結構簡単で一般棋戦ではそこまで結果が出ていなかったと言えます。ただ、直近の1年間は一般棋戦グランドスラムという快挙成し遂げそれがかなり大きいと思います。それを抜かしても直近1年間では42勝11敗0.792まで勝率下がるけど、それでも日程やタイトル戦など踏まえると調子が悪いとは思えません。

 

直近1年間のタイトル戦(竜王戦以降/敬称は当時)

竜王戦 広瀬章人 八段 4勝2敗(防衛) ●○○○●〇
王将戦 羽生善治 九段 4勝2敗(防衛) ○●○●○○
棋王戦 渡辺 明 棋王 3勝1敗(奪取) ○○●○
名人戦 渡辺 明 名人 4勝1敗(奪取) ○○●○○
叡王戦 菅井竜也 八段 3勝1敗(防衛) ○●○○
棋聖戦 佐々木大地七段 3勝1敗(防衛) ○●○○
王位戦 佐々木大地七段 3勝1敗(現在) ○○○●

これを見る限り、微妙に藤井竜王名人に変化あるのかなと感じます。
というのも、野球で例えるとホームランバッターから安打製造機に変わった感じ。)つまり、調子落としているというよりも相手が警戒を強めているからいつも通りでは行かない。つまり、ヒッティングゾーンを拡げて対応策を練りながら挑んでいるのかなと。

八冠の可能性は?

あるとは思いますが、強気というのが無ければちょっと厳しいのかなと。

藤井曲線が減った理由を考察すると、悩んでいるというよりも相手の作戦がハマっているというのが正しいのかと思います。例えば王座戦の村田六段戦は新・村田システムが完全にハマって勝勢どころか完勝間際まで行ったり、朝日杯も逆転勝ちが多かったりとどっちかというと相手が作戦通り進行していて苦しい展開が続いている感じだと思います。そこからの勝負術でひっくり返すのでそこまで気にならないが、最初の頃に比べると激しさが無くなった印象が強いです。

つまり、作戦が前よりか通用しない。もしくは強い作戦をぶつけてくる傾向が多いので強気の受け・攻めというのを出さないと陥落もあり得るのかなと。

結局、藤井竜王・名人の調子は?

素人からだと落ちている風に見える。
だけど、プロから見ると落ちていると言っても微差程度なのかもしれない。

というのも、素人って評価値を見て一喜一憂しているじゃないですか。最善指さなかったら「評価値溶けたー」とか「藤井の負け」とかいう人多いけど、AI最善手でもプロは「いや、これは指さないのでは?」という人もいると思います。

なのでAIの判断とプロの判断は違うところも結構あるので、藤井竜王名人が思考を変えている程度しかプロは感じないのかなと思います。仮に調子落としていたらどこかで連敗していてもおかしくありません。

とあるサイトのレーティングから偏差値を求めてみた

  レート 偏差値
藤井聡太 竜王 2067.0 83.666
永瀬拓矢 王座 1891.2 72.069
豊島将之 九段 1885.2 71.673
渡辺明 名人 1854.8 69.668
広瀬章人 八段 1841.0 68.757
羽生善治 九段 1838.1 68.566
佐々木大地 七段 1824.8 67.689
菅井竜也 八段 1813.6 66.950
斎藤慎太郎 八段 1810.1 66.719
斎藤明日斗 五段 1798.1 65.927
佐々木勇気 八段 1797.3 65.874
稲葉陽 八段 1790.1 65.399
近藤誠也 七段 1783.0 64.931
服部慎一郎 六段 1778.4 64.628
佐藤天彦 九段 1775.1 64.410
伊藤匠 六段 1765.0 63.744
本田奎 六段 1761.1 63.486
八代弥 七段 1751.0 62.820
増田康宏 七段 1746.5 62.523
大橋貴洸 七段 1740.4 62.121

今回調べようと思ったきっかけがこの動画


www.youtube.com

まあ、数学の話になるので分からないところありますが、偏差値というのは一般的に高校や大学のランク的な意味と思う人多いと思います。

ただ、今回はレーティングサイトから全棋士の偏差値を調べました。そうしたら藤井竜王の偏差値がエグすぎた。

というのも偏差値65くらいで上位6%くらいになりこの辺りからタイトル戦登場やタイトル獲得してもおかしくないというのはあります。しかし、藤井竜王が偏差値83.666という驚異的な数字があり正直藤井竜王からタイトル獲るのは困難と思われます

偏差値83ってどの辺となると2800人中1位になるという感覚でいいかと思います。つまり藤井竜王は2800人の頂点にいるというわけです。もっと壮大なことを言うとプロ棋士は年に4~6名ほどなられますが600~700年に1人の逸材ということだと考えてもいいと思います

本当の2番手は誰?

今日は難しい分析。

というのも、2番手争いが本当に分からない。

レーティング上では

1903(1919) 永瀬王座
1884(1897) 豊島九段
1848(1865) 羽生九段
1836(1855) 広瀬八段
1835(1849) 渡辺名人

※参考 2082(2099) 藤井竜王 

となってますが、実質僅差とも言えるのです。

その理由が藤井竜王以降の若手棋士に対しての成績。

藤井竜王棋士番号307)以降の棋士との対戦成績
()内は棋士番号

永瀬王座(276) 8勝5敗
豊島九段(264) 10勝2敗
羽生九段(175) 10勝1敗
広瀬八段(255) 3勝3敗
渡辺名人(235) 11勝2敗

こう見ると広瀬八段は機会少ないから何とも言えない部分ありますが、
永瀬王座が服部六段と伊藤匠六段に1度も勝ったことないというのがかなり大きいと思います。あと、永瀬王座は20~22年で116勝64敗(0.6444)で現状維持している状態だったりします。そうなると豊島九段?となりますが、一昨年が指し分け状態で去年も6割くらいだったことからまだ本調子ではないと思います

個人的には実質2番手は羽生九段だと思います。
その理由が、1年レーティングでこの5名の中で一番高いということ。
その上、多くの棋戦で本戦・決勝トーナメント、リーグに残ってそれなりの成績を収めているというところ。極めつけは竜王ランキング戦で永瀬王座下し決勝進出決めたこと。そう考えると羽生九段が2位と言えるのではないでしょうか?

あと、今年誰が複数タイトル戦挑戦するかですね。現状だと羽生九段が気持ち高いかなと思います。王位戦も挑戦者の可能性も残っているし、王将戦はリーグから。竜王戦も挑決トーナメント決定し、王座戦も本戦進出、棋王戦はスーパーシードと今年も好調維持したら2~3つ挑戦者になってもおかしくないと思います。

藤井竜王の強さをAIが認めた?

今日は藤井竜王についてだけど、とんでもないデータが判明したので取り上げました

4月12日付け 北陸中日新聞

そこには、棋力を客観的に分かるように数値化することに成功したということです。

そして、記事には平均損失と書いてあって、1手指すことにどれくらい形勢を損ねているかというのを数値化したということです。

大体、全棋士の平均損失は60~70ほどでトップ棋士は40~50くらいになります。
ちなみに羽生九段が七冠達成時は40~45くらいで推移しており、永瀬王座は35~50くらいになります。

藤井竜王は・・・まあ、わかるよねw
いや、30前後しか損失していないなら毎年8割超えてもおかしくないわ。
つまり、負かすというのがものすごく難しいということ。

 

 

ちなみに平均損失が15以上差がついているというのがどういうことかというと、

一つはワンチャンが無い。つまり、作戦持ってきても毎回ひっくり返される。勝負手も無視されて最善手を指しまくる。あと、複数年連続八冠も狙える。

つまり、この新聞見る限りだと八冠どころの話ではないということだと思うんです。